来年10月のインボイス制度の開始に向けて、税務署は自営業者にインボイス制度の説明会を開催しています。
「インボイス」と横文字で表したら、増税かなと警戒してしまいます。日本語では「適格請求書」と言います。インボイスとは、要するに領収書なのですが、消費税率・消費税額、そして登録事業所番号の記入が必要です。この番号は納税者本人が、手続きしないともらえません。 売上高が１千万円以下なら消費税を払う義務はありませんが、年間売上が５百万円のフリーランスさんも、インボイス登録をしなければ、取引先から値引き、あるいは取引の停止もあります。登録すると、年間２０万円の消費税を払うことになります。これではそのフリーランスさんの生活は成り立ちませんし、事務負担も増えます。インボイス制度は中小業者つぶしの制度と言われるゆえんです。
インボイス制度は学校給食に食材を納入している地元の農家の方にも適用されます。私たちは学校給食の地産地消を進めるよう要請してきました。栄養士さんたちも積極的に地産地消に取り組んでこられましたが、インボイス制度によって、地元の食材納入が難しくなります。
また、市から作業委託されているシルバー人材センターも、インボイス制度で存続は危機的な状態になります。シルバーでの月平均の報酬は３万５千円くらいといわれています。年金収入が少なく生活費の補填のために働いている方でも、消費税の課税業者になり消費税を払うことになります。
財務省は約１６１万事業者が対象と想定していますが、シルバーやフリーランスも対象になるので、１千万人以上に影響が及びます。「インボイス中止」は国民の声です。